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解釈とたまに考察と感想

【考察】もし首謀者=赤松楓の○○だったらなって話

ニューダンガンロンパV3のネタバレを含んでおります

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1.もし白銀=赤松妹のコスプレ、もしくは本人だったらという前提

 

今回V3を考察するにあたって、「赤松さんに妹がいる」という真実を有効活用しなかった首謀者に少し違和感を感じました。しかし、それにはれっきとした理由があると考えられます。キーボのアンテナが折れたことです。

彼のアンテナが折れたことでアンテナ=受信用=視聴者の存在を暴かれる可能性が出てしまいました。なので首謀者は、最後の学級裁判で皆を絶望させる材料として「この世界がフィクションであること」を使うように変更し、その時使う予定だったある材料を使わないようにしました。

その「ある材料」が、「自分は赤松楓の妹である」という事だったのです。ここてまは便宜上「この世界がフィクションであることを利用して最原たちを絶望させようとしたルート」を「フィクションルート」、「自分は赤松楓の妹であるという事を利用して最原たちを絶望させようとしたルート」を「赤松妹ルート」と呼びます。

 

ここでいくつか出てくるであろう疑問点を整理していきます

 

・なぜアンテナが折れた時点で変更?

→少しでもフィクションであると暴かれる可能性がでたから。仮にフィクションであることが判明せずにエピローグを迎えたら、「なぜキーボは暴走したのか?」という疑問が最原たちにも視聴者にも残る。

 

・3次元のコスプレはできないのでは?

→「V3の世界」には判明している限りではコロシアイ参加者の16人しかいない。そこに6階にあった書面上で「赤松楓の妹」という(V3世界における)フィクションの存在を作れば可能だと思われる。また、首謀者が赤松妹本人ならこの問題は解決する。

 

・首謀者=赤松妹なんて都合のいい事あるの?

→思い出しライトがあったり、赤松さんが死んでいたり、嘘のエキスパートである王馬や百田がいないので、仮に嘘をついたとしても嘘だと思われる確率は低い。また、嘘だと証明出来る術が無い。

 

・絶望させる材料を両方使っても別にいいのでは?

→上記のように、赤松妹を書面上の存在にしてしまえばコスプレが可能になるが、もしV3世界をフィクションとすれば、赤松妹は現実世界にいる(であろう)存在になってしまう。そうしてしまったら首謀者がコスプレできるかどうかが曖昧。

また、そもそも首謀者がコスプレできる定義は、周りの事や真実に関係なく、「自分がフィクションだと思うか」に関係していると考察している。そういう面では自分の主観を記憶からコントロールできる便利な道具がV3にはある。

 

・両方判明する可能性があったのでは?

→フィクションであるという事については、江ノ島(白銀)が4章王馬のように一方的にまくしたてた結果判明した真実。記憶と資料集の相違に気づいた最原くんがきっかけでもあるが、そこに「首謀者は赤松楓の妹である」とぶつければ、彼を封じる事は簡単だったと思われる。

 

・そんな急に予定変更出来るわけない

→確かに首謀者がアドリブにめっぽう弱いのは考察しててすごく感じる。だから、首謀者は最後に大コケしないように、結末をいくつか用意していたと考えられる。

 

 

2.「赤松妹ルート」の利点

まず、このルートの流れを説明します。

赤松さんが冤罪であった事までは同じ流れです。白銀つむぎが「赤松さんの妹だよ!!」というところも。しかしそこで、彼女は「江ノ島盾子だよ!!」とは言いません。ここが結末を変える大きな分岐点となっています。

ここで、首謀者は問いかけます。「赤松さんの妹って、誰だと思う?」それこそ2‐5章の七海みたいに。

さすがに最原くんも、首謀者は赤松楓の妹であると気づくでしょう。「私だよ♡」ってことです。

そこからはキーボ以外皆絶望し、キーボが「超高校級の希望ロボット」として他の参加者に希望を伝染。最終的に最原くんが裁判を終わらせる…という、いわゆる「今までのダンガンロンパ」と同じような流れでしょう。

 

 

メリット①「成長物語」の完成

「赤松妹ルート」を正規ルートだと仮定すれば、5章までは正規ルートで進み、赤松・王馬・百田が死に、成長した最原が生き残って主人公のような立場になることは確定していたと考えられます。

そんな最原くんに首謀者=赤松妹だとぶつけて絶望させ、(視聴者によって)希望を持ったキーボに裁判を引っ張ってもらい、そこでまた最原くんを成長させ、最終的には彼に論破してもらう。これこそ、首謀者が望んだ「弱い探偵の成長」が描けていると考えられないでしょうか。また、5章で百田と対立した後に赤松(の妹)と対立するということは段階的、つまり正規的な成長と言えます。

赤松、百田、キーボによって成長させられた弱い探偵は、満を持して外の世界に旅立つでしょう。そこに追加してキーボがおしおきを受けるなんて言い出したら尚更です。

 

メリット②過去作の模倣

首謀者にとっては、むしろこっちがメインと言っても過言ではありません。過去作のような真実を暴露し、今までのダンガンロンパとほぼ同じような結末を迎えられます。「予定調和」の希望と絶望を、視聴者に届けることができます。

何よりも、これからもダンガンロンパを続けられるという可能性が1番高いでしょう。逆に言えば、フィクションであることを暴露するという事は、諸刃の剣だったという事です。

 

メリット③とにかく手っ取り早い

暴露するしないに関わらず、ニューダンガンロンパV3はフィクション世界の話です。思い出しライトなんていう便利な道具もあります。自分が赤松妹ではなかったとしても、また赤松妹なんて存在していなかったとしても、名乗ってしまえば嘘か本当か証明する術がありません。6階の書面に「赤松楓には妹がいる」とだけ書いておけば、この結末は完成します。

また、もし百田が生き残っていて、本当は首謀者は赤松妹ではなかったのなら、この嘘は簡単に暴かれてしまうでしょう。その「万が一」を防ぐために、百田にウイルスを打ち込んでいたという考察も可能です。

 

メリットだらけで安定したダンガンロンパを演出できるこの結末を迎えることができなかったのは、首謀者の考えたシナリオからV3がだんだんずれていき、制御できないものとなってしまったからです。ここらへんもまた書けたらいいなと思っています。

最後まで読んでくださってありがとうございました。